宿直勤務連続残業代裁判の経緯について

宿直勤務連続残業代裁判の経緯と労働環境改善の取り組みについて

2016年11月22日、株式会社宝塚公益社および関連会社(以下、当社)の社員および元社員計8名より、宿直業務(当社における夜間就労業務の呼称、以下、同じ。)に対する残業代が支払われていないとして提訴されました。この件につきまして事件の経緯とその後の結果と改善取り組みについてご報告申し上げます。

先ず、裁判の結果は2019年10月17日に8名のうち6名と和解が成立しました。和解に至らなかった残りの2名についても2020年2月21日に判決が下り、双方が控訴しなかったため裁判は終了しました。

問題となった未払い残業代は、宿直業務に対する賃金です。元来、宿直業務以外における当社の残業時間は多くありませんでした。但し、葬儀の仕事を請け負っている当社は24時間365日対応しており宿直業務があります。当時の当社の勤務体制は、日勤の社員に日替わりで宿直業務に就いてもらっていました。宿直業務については採用の際、面接で「宿直業務があること」「宿直業務の概要」「宿直業務には宿直手当として支払われること」を説明しており、社員には納得してもらえていると認識していました。しかし、2016年7月8日、突然、社員及び元社員8名より内容証明郵便が届き「宿直勤務の際にも一切の残業代も支払わず、・・・」と記載されていました。それまで宿直業務に対する不満や相談は一度もなく、まさに「寝耳に水」で驚きました。

社員には入社時に宿直に対する説明はしているため納得して業務に就いてくれていると認識していましたが、そうではありませんでした。そして、当時、会社としても労働基準監督署に宿直の届け出を行っていないという落ち度がありました。また、雇用契約書も交わしていませんでした。
宝塚市において1956年に創業して以来、60年間(2016年時点)、24時間365日体制で業務を行っています。葬儀業を営む立場としては当然のことであり、地域の皆様に少しでもお役に立てるために、深夜でも迅速で丁寧な対応を信条としています。しかし、いつしか社員も増え、時代も変わり、労働環境に対する変化への意識が希薄だったのも事実です。宿直業務について労働基準監督署に届け出をしなければ、長時間労働に該当するという認識がありませんでした。

判決においてもこの点について「労基法を遵守する意識は希薄といえる」と裁判所から指摘されました。一方で未払い残業代については「多額の割増賃金が存在することを認識していながら故意に支払っていなかったとまではいえない。すでに宿直業務を廃止していること」も認められました。当社の落ち度も指摘されましたが、故意ではないこと、是正に努めていることが認められた結果となりました。

労働環境改善の取り組みとして、当社は2016年11月に提訴される前、2016年7月8日付で内容証明郵便が届いた後すぐに、日勤者による宿直業務を廃止しました。宿直専門の担当者を採用し、日勤業務と宿直業務を分けました。裁判でも認められた点です。

また、西宮労働基準監督署の指導を仰ぎ、宿直専門業務については、当該業務の中身を精査することで、手待ち時間が多い業務であり、長時間労働ではないという認識で、断続的労働に従事する者に対する適用除外許可の申請をしました。加えて、宿直業務専門の者の有事に備え、日勤者が臨時的にやむを得ず、宿直勤務に就かざるを得ない場合を想定し、断続的な宿直又は日直勤務許可申請をしました。この他、この場合に時間外労働時間が増加する場合の遵法状況を視野に、三六協定の届出の際に特別条項を付則する措置も講じました。

結果、2021年7月には、西宮労働基準監督署に「断続的な宿直又は日直勤務」および「断続的労働に従事する者に対する適用除外」が許可されました。宿直業務が日勤業務の延長ではなく、長時間労働や残業時間に該当しないことが認められたことになります。

宿直業務に対する未払い残業代として請求された金額については、2016年8月に当社より和解金額を提示しました。「宿直手当を支給していたこと」「宿直時における食事代も別途支給していたこと」「面接時に宿直業務に対する説明を行っていたこと」などを理由に減額を求めた上で支払う意思表示をしましたが拒否され、その後、11月22日付で提訴されました。
この時、当社が提示した金額は、最終の和解金額や判決による金額よりも高い金額を提示していました。会社としても提訴される前から、できる限りの誠意を尽くしたと思っていますが、残念ながら提訴されたことは不徳の致すところであります。

このように、宿直業務と日勤業務を分離した以外でも、宿直業務専門の従業員の有事に日勤者が宿直業務を担わざるを得ない際を想定し、三六協定の届出の際に特別条項を付則するなど、長時間労働への対応も行っています。さらに、労働者代表も会社が間に入ることなく社員間だけで労働者代表の立候補や推薦による選挙を行い、年に1回、選出しています。これにより、労働環境に対する問題があれば、社員間で公平に選ばれた労働者代表と話ができる環境を整えています。今回の問題を契機に、当社で勤務して頂いている社員が、日々、働きやすい労働環境となるよう努めております。


以下、経緯および労働環境改革などの詳細をご報告致します。

1.経緯

1956年

兵庫県宝塚市にて、葬儀会社として宝塚公益社を創業。創業当時より、24時間365日体制で運営。宝塚市で葬儀のご依頼があれば深夜でも対応し、常に迅速なサービスを提供。

1976年

株式会社宝塚公益社を設立し、法人化。創業当時からの体制を維持し、正月や大晦日など関係なく、深夜も含めて迅速なサービスを継続。
※新たに葬儀担当者として社員を採用する際は、面接時に「宿直業務があること」、「宿直業務の概要」、「宿直手当の支給」を説明していた。

2016年7月8日

当社および関連会社の社員および元社員8名より、「宿直は長時間残業に当たる」として、宿直手当とは別に残業代の支払いを求める内容証明郵便が届く。
その後、すぐに宿直専門の担当者を採用。同年8月には日勤業務と宿直業務を継続して行わないように体制を変更。

2016年8月18日

請求額について、支払いに応じる。但し、「宿直業務の有無は事前に説明していたこと」、「宿直時には宿直手当及び宿直時の食事代を支給していた」ことなどから、請求金額の減額を求めるも、この要求は拒否され支払えず。
※この時の減額要求は決して著しく低いものではなく、裁判所から提示された和解金額や判決にて下された金額よりも高い金額を提示していたことがその証。

2016年11月22日

社員および元社員8名が、宿直業務に対する未払い残業代の請求訴訟として提訴。

2016年12月13日

社員および元社員8名のうち4名が記者会見に応じ、記事として報道される。

2019年10月17日

6名と和解が成立。

2020年2月21日

残り2名に対して判決が下る。双方が控訴せず、裁判は終了。

2021年7月9日

西宮労働基準監督署より「断続的な宿直又は日直勤務」と「断続的労働に従事する者に対する適用除外」が認められ、許可を得る。これにより、宿直業務が長時間労働や残業時間に該当しないことが認められる。

2.労働環境改善の取り組み

① 宿直専門の担当者を採用

2016年7月より宿直専門担当者を採用。日勤者の宿直業務を廃止し、長時間に及ぶ連続勤務をなくしました。

② 三六協定および特別条項の申請

宿直業務と日勤業務を分離した以外でも、宿直業務専門の社員の有事に日勤者が宿直業務を担わざるを得ない際を想定し、三六協定の届出の際に特別条項を付則するなど、長時間労働の防止に取り組んでいます。

③ 1分単位による残業手当の支払い

終業時間の17時を超えると、1分単位で残業手当を支給しています。早く帰ることができる日は定時に退社するように促しています。

④ 「断続的労働に従事する者に対する適用除外」の許可

宿直専門の担当者が長時間労働に該当しないことが認められました。

⑤ 「断続的な宿直又は日直勤務」の許可

日勤者が臨時的に宿直業務を行っても長時間労働に該当しないことが認められました。

⑥ 評価制度の導入

現場にリーダーやサブリーダーを配置し、会社組織としての体制整備に努める一方、評価制度を導入し、昇給や賞与へ反映しています。

⑦ 労働者代表選挙の実施

会社が関与することなく、社員間で毎年労働者代表を選出。労働環境に対し、会社と社員が対等に向き合うことができる状況を整備しています。

⑧ 社員研修の実施、葬祭ディレクター試験の推進

社員研修にて社員のスキルアップを促進。また、葬祭ディレクター試験を推進し、お客様サービスへの向上に繋がるようサポートしています。

⑨ 社宅制度の導入

当社で能力を発揮頂ける方に入社頂きたいという思いもあり、会社から遠くに自宅がある社員に対し通勤の負担を軽減するため、社宅制度を導入しました。

⑩ 通勤費の導入

⑨とのバランスを考慮し、社宅以外の社員に対し、通勤費を支給。社員の通勤に要する交通費の負担を軽減しました。

3.今後の労働環境改革について

社員の皆様が働きやすい環境をさらに整えるため、長時間労働の防止、各種ハラスメントの防止、健康管理、評価制度の実施、研修の実施、業務意欲の向上へのサポートなど、細心の注意を払い、より良い会社作りに努めています。労働環境が改善され問題は無くなったと自負していますが、まだまだ課題はあります。

今後も労働環境改善に全力を尽くして参りますことをご報告させていただきます。

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