葬儀にまつわる豆知識

樒(しきみ)について

1.本来の仏花は樒(しきみ)

樒の葉を折って香りを嗅いでもらうと、その柑橘系の爽やかな香りに皆さん、少し驚かれます。高齢な方でも初めて樒の香りを知る方も少なくありません。その芳香から他の類似植物とは違いが明確で見分けがつきやすく特別な存在であると認識いただけます。

真言宗の宗祖、弘法大師空海が帰国の後、日本で仏教を民衆に広める際に、高価で入手困難な香木の代わりに樒を用いるようになってから日本仏教では樒を重用するようになりました。

仏器に樒の葉5枚を五瓣の青蓮華として作法に用いるほか、護摩を焚くときにも房花として用います。
また葉と樹皮を乾燥させ粉にすることで線香の原材料に使用されたり、焼香用のお香にも使用されます。

我々葬儀の現場では枕飾りの一本樒を「一本花(いっぽんばな)」と呼んでいます。
本来の仏花とは樒なのです。
一般的に仏花と言えば、お花屋さんやスーパーの店頭に菊を中心にした5本程度の小さな花束を見かけますが、日本仏教において「仏花」とは樒のことで、しかも樒の花ではなく枝や葉など樒そのものを指しています。


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