樒は古来より日本に自生していたと思われます。「仏典の植物辞典(満久崇麿著)」には日本原産とも書かれています。
以前はモクレン科に分類されていましたが、現在はシキミ科シキミ属とされています。
ウィキペディアではマツブサ科と紹介されていますが、別科に分類される場合ありと表記されています。常緑の小高木で東北南部より沖縄まで分布しており、一部中国にも分布するようです。
木全体に毒があり、特に果実は猛毒で劇物に指定されています。中国には近縁のトウシキミが広く分布していますが、こちらは毒性がなく「八角(はっかく)・大茴香(だいういきょう)」と呼ばれ、スパイスとして中華料理には欠かせぬ食材ですが、仏教を含め宗教行事には用いられません。
名前の由来には「四季美(一年を通して緑の葉を付ける)」や「(有毒のため)悪しき実」から来ているという説が有力です。